研修通信
「学校経営研修5~学び続ける教員を支える教員研修~」
9月13日(水)に実施した「学校経営研修5~学び続ける教員を支える教員研修~」の遠隔型研修Ⅱについて紹介します。
本研修講座は、講義及び受講者同士の協議等を通して、「令和の日本型学校教育」を担う「新たな教師の学びの姿」の実現に向けた管理職の役割について理解を深めることを目的に実施され、全道から48名の管理職の先生方が受講しました。
本講座では、各校種で優れた実践成果を上げている校長を講師に迎え、5月31日に実施した「遠隔型研修Ⅰ」後の職場実践期間中に受講者が作成した実践記録を基にグループ協議を行いました。
「遠隔型研修Ⅰ」における講義内容から、授業観・研修観の転換や、校長に求められる資質能力を再確認した後、校種別のグループ協議を行いました。グループ協議では、教員の資質能力の向上を図る手立て、校内研修に係る企画や時間確保の具体例、対話の方法等について、活発な意見交換が行われました。組織的な研修の在り方や、高い心理的安全性に裏付けされた対話に基づく教職員のニーズとキャリアに応じた受講奨励等についての協議を通し、受講者が「主体的に学び続ける教師の研修を促進する環境づくり」と「対話に基づく受講奨励を行う上での管理職としての関わり」について新たなヒントを得たことで、実践意欲の向上につながる講座となりました。
・受講者の声
・対話に基づく受講奨励を行う上で、管理職との関わりについて、日常的な対話や教師一人一人のキャリアに応じた受講奨励を行うことが参考になりました。ビジョンの共有のもと、教員一人一人が課題意識をもって研修に取り組める校内体制を確立させていきたいです。
・教師の学びの姿と、子どもの学びの姿は相似形であり、主体的に学び続ける教師の姿は、子どもにとっても重要なロールモデルです。育てたい資質・能力を明確にし、教師が主体的に学び続けることが、生徒の学びを深化させるということを広めていきたいです。
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「学校運営研修3~メンター研修による若手教員の育成~」
20名の参加者を募り、9月1日(金)に実施した「学校運営研修3~メンター研修による若手教員の育成~」遠隔型研修について紹介します。
本研修講座は、講義及び受講者同士の協議を通して、学校内においてメンターチームによる若手教員を組織的に育成する方法について理解を深めるため、講師に横浜国立大学准教授 脇本 健弘氏をお迎えし、遠隔型で実施しました。受講者は、アイスブレイクを兼ねた自己紹介と、事前課題を基に自校の課題についての交流をした後、各学校における効果的なメンター研修の実施するため、講師からの講義や事例紹介を受け、協議の中でアクションプランを作成・交流し、自校の取組に向けた具体的な方策を考えました。
講義では、「経験軸」と「ピープル軸」という二軸を押さえて、人材育成に係る職場環境を捉えることが大切であるということ、調査データから見えた若手が育つメンターチームのポイントとして、「経験の浅い教員が本音で話している」、「先輩教師の経験談が語られている」、「参加者が自律的に企画・運営している」という要素が挙げられること、若手の育成を支える共感的な風土や学び合い支え合える関係性を基盤としながら、学校運営に主体的に参画しようとする意識を高めていくこと等についてお話いただきました。
事例紹介では、横浜市の小・中学校におけるメンターチームの事例を紹介いただきました。受講者が自校でメンター研修を実践する上でのヒントとなる事例を数多く紹介いただくとともに、事例を唯一の正解として捉えずに、メンバーの状況を見極めて学びたいと思える環境を創っていくことが大切であるという点についてもお話をいただきました。
協議では、アクションプランの作成を通して、「現状の問題点・課題」を「めざす自校のメンター研修」に近付けていくために「何を変えるのか」、そのための具体策として「何をどのようにやるのか」について話し合いました。参加者は、「一部の職員で実施していた点を改め、全ての職員を巻き込んで若手を育てていくことで、メンター自身も学ぶことができるような取組にしていく」、「形式に縛られず、まずはやってみることを大切にし、職員の反応を見ながら改善を重ねていく」等、課題解決について話し合われていました。
メンターチームについての専門的な講話と受講者同士の協議のバランスが取れた研修の構成としたことで、今後の職場実践への意欲や取組の充実につながる講座となりました。
・受講者の声
・メンター研修の取り組み方について、学校規模や人材といったリソースを踏まえ、誰が、どのように、何をすればよいかについてイメージをもつことができた。
・管理職として、それぞれのキャリアステージに合わせた人材育成を考えていく上でのヒントを、講義や協議の中からたくさん得ることができた。
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「学校運営研修2~組織開発につながる校内研修~」
6月27日(火)に実施した「学校運営研修2~組織開発につながる校内研修~」遠隔型研修について紹介します。
今回の研修は、遠隔型による実施で、講義及び実践発表、受講者同士の協議を通して、校内研修等の充実・活性化による学び合い高め合う教職員集団づくりについて理解を深めることを目的とし、全道から24名の先生方が受講しました。
はじめに、アイスブレイクを兼ねた自己紹介と、職場実践の中で明確化した「校内研修で学び合う教職員集団づくり」に関する自校の課題について共有しました。
講義では、国立教育政策研究所研究企画開発部総括研究官の千々布 敏弥氏を講師に迎え、「組織開発につながる校内研修」に向け、「校内研修の目的」、「校内研修と学校の組織力の関係」、「リフレクションの重要性」について理解を深めることができました。特に、「リフレクション」について、最初は、「校内研究で決めた授業改善の取組を自身の授業で実践できているか」等について振り返るが、段階的に「今よりもっといい方法は考えられないか」、「そもそも課題を共有することの意味は何か」といったように、振り返る視点を深めていくことが大切であるとのお話がありました。
実践発表では、道内の学校で、校内研修を通じた学び合い高め合う教職員集団づくりに積極的に取り組む管理職の方々に実践発表をいただきました。いずれの実践発表においても、ICTを効果的に活用し協働的に学ぶことで、令和の日本型学校教育を推進しておりました。
協議では、自校の課題解決に向けての取組を考え、受講者同士で話合う中で、次の二点が大切であると確認されました。1点目は、一人一人の先生が役割を担うことで、校内研修に参画する意識を高め、協働的に研究を進めることです。2点目は、職員間の日常的な言葉掛け(価値付け、ねぎらい、励まし)を活発化させることで、モチベーションを高めたり、研修の成果を確認したりすることです。
・受講者の声
・めざす生徒像を改めて全教職員で理解することや課題を共有して全校で取り組むことの必要性、各校務分掌と連携したスクラップアンドビルドにより、教職員
に負担感をもたせず取り組むことの大切さ等、今後に役立つ内容が多く詰まっていた。
・職員全体が自分事として課題意識をもつことができれば、組織的な取組を推進しやすくなることがよくわかる例だった。特に、ミドルリーダーと管理職との関
わりについて、改めて考えさせられた。
・同じような悩みを抱えている教頭の生の声が聞けてよかった。みんな試行錯誤しながら、教職員の資質向上に向けて取り組んでいることが分かった。
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「生徒指導研修3~「心の危機に気付く力」と「相談する力」の育成~」
22名の参加者を募り、オンデマンド型と遠隔型で実施した「生徒指導研修3~「心の危機に気付く力」と「相談する力」の育成~」について紹介します。
本研修講座では、オンデマンド型研修と遠隔型研修において、自殺予防教育の中核をなす早期の問題認識と援助希求的態度の促進について講義、協議が行われました。
6月23日(金)に実施された遠隔型研修では、職場実践で作成したワークシートを基に、自校における自殺予防教育の取組や課題について、受講者同士で交流することで、他校の取組や課題等について共有するとともに、自校の取組と比較して進捗状況等を確認しました。
講義では、北海道医療大学教授 冨家 直明氏から「今求められる自殺予防教育」について示され、受講者は子どもの自殺直前のサインや自殺のリスクに気付くためのスクリーニング尺度の使い方などについて学んでいました。
その後、生徒指導・学校安全課から自殺予防教育の目標と方向性及び本道における自殺予防教育の取組等について説明があり、自殺予防教育について理解を深めました。
協議では、早期の問題認識と援助希求的態度の促進の2つの視点から自校で実践できる取組を検討しました。jamboard上のYチャートに付箋を貼りながら協議を進めることで、「心と身体のチェック」の活用や自殺予防教育プログラムの実施などについて議論を深めました。
・受講者の声
・冨家先生の講義から、アンケートや生活リズムチェックシートでは表れていない状態であったとしても、自殺や命の危機について考えていかなければならない
と感じました。講義から得られた学びを自校の取組に反映させたいと思います。
・演習、協議が多く設定されており、安心した環境づくりの取組等、他校の取組や現状を知ることができました。「気になる子どもへの対応」として具体的な実
践例を知ることができました。
・「子ども支援ツールほっと」の分析方法等すぐに実践につながる研修で役立つ内容でした。今後、本研修を教職員間で共有し、学校全体で自殺予防教育に取り
組んでいきます。
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「へき地・小規模校教育充実研修」
5月25日(木)に実施した「へき地・小規模校教育充実研修」について紹介します。
今回の研修は、遠隔型研修で各受講者をつなぎ、講義等を通して、へき地・小規模校に勤務する先生方の実践的指導力を向上するため実施しており、全道から30名の先生方が受講されました。
北海道教育大学へき地・小規模校教育研究センター 川前あゆみ 副センター長の講義から始まり、へき地・小規模校における学習指導の在り方について説明され、「何人いれば切磋琢磨できるのか」、「学習リーダーを育て、主体的な学びとなるような工夫をしていかなければならないが、子どもの理解には限界がある」などの問題提起をしていただき、自らの指導を振り返るための示唆をいただきました。
このほか、「へき地・小規模校における遠隔合同授業の実際」について、北海道教育大学へき地・小規模校教育研究センター 前田賢次 センター員から、北海道の幌延町や積丹町、鹿児島県の徳之島町の事例を用いて、遠隔合同授業は「多様な意見に触れたり、コミュニケーション力を培ったりする機会を創出することに秀でた『合同授業型』」と、「免許外教科担任が指導する学級と当該教科の免許状を有する教師やその学級を結び、より専門的な指導を行う『教師支援型』」などの類型があることや、遠隔合同授業のメリット等の説明がありました。また、教科での活用に関わっては、主に国語や算数において、単元の一部分として、発表や表現活動により見方・考え方を広げるための時間を設定して遠隔合同授業を位置付けることや、できるだけ単発ではなく、必要に応じて複数回を一連の学習活動として位置付けることが大切であることを強調されていました。
実践発表では、苫小牧市立樽前小学校 瀧川 明 教諭から複式学級における効果的な学習活動として、下学年の児童へのアドバイスを考えさせることにより、相手意識を持たせた振り返りにつながったことなど、実践を基に発表していただきました。
演習・協議では、ブレイクアウト機能を使い、職場実践で行うことについて交流したり、現在、先生方が抱えている課題を共有したりするなど、本日の2つの講義と実践発表を踏まえた積極的な交流が行われました。
・受講者の声
「講義の最中にもグループ交流が位置付けられており、講師が説明されたことを適宜自分の中で確認することができました。また、グループ内で講師からのアドバイスをもらうこともできたため、とても有意義な講義でした。」
「実践発表で説明された『相手意識をもたせた振り返りの手法』は、明日からの授業ですぐにでも取り入れたいと思いました。」
「遠隔合同授業はハードルが高いと感じていましたが、今回、実践例を示しながら説明を受けたので、本校でも小さなところから実践してみようと思いました。」
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