研修通信
中学校技術分野応用研修講座~チームで作る「統合的な問題の解決」の授業づくり~
7月28日(月)、29日(火)に実施した「中学校技術分野応用研修講座」の集合型研修について紹介します。
1日目:講義
2日目:実習
今回の研修は、技術科担当教員が、講義及び「D 情報の技術」に係る実習等を通して、3学年間を見通した指導計画の作成について理解を深めることを目的として行いました。
講師には、国立教育政策研究所の渡邊茂一教育課程調査官、北海道教育大学の石川智浩准教授を迎え、2日間の日程で研修を実施しました。
1日目の講義では、3年間の指導計画の作成について、A~Dの内容間で相互に有機的な関連性をもたせることや発達の段階に応じた学習過程の計画について講話いただきました。
2日目の実習では、実際にマイクロビットを扱うことで、プログラミングやセンサとアクチュエータを活用した、計測・制御など、様々な学習ができることについて学びました。
参加した受講者の方々からは、「第3学年における統合的な問題解決の実施等を考えた時、学年に応じた課題の難易度設定が重要であることを感じた」「たくさんのセンサやアクチュエータに触れながら体験することができ、授業で活用するアイデアがたくさん浮かんだ」等の声が聞かれました。
より詳細を知りたい方はコチラから
なお、こちらの講義動画は、Plantから視聴ができます。(公開期間:令和7年8月29日から2ヶ月間)
視聴を希望される方はコチラのページを参考にPlantにログインし、研修コード「2025教研22-3動画②」を入力して検索し、申込み願います。
へき地・小規模校教育充実研修~複式学級における学習指導の在り方~(遠隔型研修Ⅰ)
へき地・小規模校での勤務年数が5年以内の小・中学校等教諭を対象に、複式学級における基本的な学習指導の在り方や個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた授業改善の在り方について理解を深め、実践的指導力の向上を図ることを目的とした、「へき地・小規模校教育充実研修~複式学級における学習指導の在り方~」の遠隔型研修Ⅰを実施しました。
今年度は、小学校40名、中学校1名の計41名の先生方が受講しています。
研修の前半は富良野市立樹海学校 大津こずえ教諭による実践発表、後半は協議を行いました。
実践発表では、複式学級での学習指導の在り方に係り、一人一人に応じた指導や自学自習の在り方等について、大津教諭の具体的な経験に基づいた説明がありました。質疑応答では、多くの受講者から、自身の悩みを交えた質問が寄せられ、大津教諭からは丁寧な回答とともに受講者に向けた励ましの言葉がありました。
(実践発表 大津教諭提供資料)
協議では、グループに分かれ、講師である、北海道教育大学へき地・小規模校教育研究センター職員や北海道へき地・複式教育研究連盟役員から、受講者の実践上の悩みや今後の職場実践の方向性等について助言をいただきました。
(ブレイクアウトルームでの協議の様子)
受講した先生方からは、「校内研修に還元できる内容が多かった。」「児童生徒にとって必要な環境づくりなど有益な情報が数多くあり、大変勉強になった。」「自分と同じように、教員経験年数はあるけれど複式学級の学級担任は初めてという先生方と話し合うことで、悩みを共有し、先生方のこれまでの御経験から、課題解決にアプローチできそうな情報を得ることができた。」「講師の豊富な知識と経験に基づく助言をいただき、小規模校だからできることや小規模校の利点に気付くことができた。」といった声がありました。
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令和7年度(2025年度)中学校英語レベルアップ研修・遠隔型研修Ⅰ
7月28日(月)に実施した「中学校英語レベルアップ研修」の遠隔型研修Ⅰについて紹介します。
本研修は、外国語指導力の向上を目指す中学校教諭に御参加いただき、外国語科における資質・能力の育成に向け、講義を通して言語活動について理解を深め、年間を見通したロードマップの作成の演習を通して指導力の向上を図ることを目的としています。
至学館大学の山田教授による講義では、「言語活動とは、目的・場面・状況等に応じて、生徒が英語を活用し、思考し、判断し、表現する活動である」ことを確認し、実際に受講者が生徒役となり、教科書の言語活動に取り組むことで、自身の授業実践について振り返りました。
また、協議は、山田教授からの問いかけに受講者が回答する形で進行し、受講者の疑問や考えに山田教授から解説や補足をいただき、単元を通した指導の在り方や生徒が主体的に取り組むことができる言語活動の充実について、理解を深めました。
グループ協議では、単元の終末に行う言語活動を充実させるため、各時間にどのような指導を行うべきかについて、自身の実践を紹介し合いました。
ロードマップ作成の演習では、今回は、話すこと[やり取り]に焦点化し、自身と生徒の現状と課題について整理した後、自校のCAN-DOリストに基づき、年度末の最終ゴールに向けて、生徒がいつ・どのような言語活動を行うべきかを検討しました。その内容や成果については、10月の遠隔型研修Ⅱで再度協議を行うことになっています。
・受講者の声
「自身の授業を振り返り、パターンプラクティスなどが多くなっていることに気付き、思考力・判断力・表現力等を問うような言語活動の充実に努めようと思いました。」
「言語活動のねらいは、生徒に英語を使わせることではなく、英語で自分の伝えたいことを適切に表現できるようにすることだと分かりました。」
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「課題対応研修~日本語指導が必要な子どもへの支援の在り方①~」
6月11日(水)に実施した「課題対応研修~日本語指導が必要な子どもへの支援の在り方①~」の遠隔型研修について紹介します。
今回の研修では、日本語指導が必要な児童生徒を担当している教諭の方々に御参加いただき、講義・演習・協議をとおして、日本語指導が必要な児童生徒に向き合う姿勢や指導方法について学びました。
参加者は、櫻井准教授の講義を通して、「日本語も母語もできる可能性のある子ども」という視点や、「概念形成」や「言語の見立て」の重要性について学びました。また、DLA実施動画の視聴および「言語発達のステージ」や「習得のステップ」に基づいた演習・協議を通して、「ことばの力のものさし」を用いた評価についての理解を深めていました。
さらに、自身が立てた問いについて、講義・演習・協議で得た新たな気付きや学びと関連付けながら、自らの実践を振り返ることができていました。
・受講者の声
「評価を通して児童の現状を的確に捉え、次の指導の方向性を明確にすることの大切さを実感しました。子どもが本来持つ思考力を引き出すアプローチについても深く考える機会となりました。」
「母語の重要性を改めて認識しました。『日本語ができない子ども』ではなく、『日本語も母語もできる可能性のある子ども』という視点が、自身の支援のあり方を見直すきっかけとなりました。」
「同じ立場で実践されている先生方のお話を聞き、安心感が得られました。教材や評価ツールを実際に使ってみることで、具体的な活用方法が見えてきました。」
(12月8日(月)に「日本語指導が必要な子どもへの支援の在り方②」を行います。本講座を
受講していない方も受講することができますので、興味のある方は受講を御検討ください。)
※興味のある方はコチラから
「中学校技術分野基礎研修講座~ここから始める『技術分野の授業づくり』~」
6月4日(水)に実施した「中学校技術分野基礎研修」の遠隔型研修について紹介します。
今回の研修は、技術分野の学習過程についての講義や交流等を通して、技術分野の指導の在り方について理解を深めることを目的として行いました。
講師には、国立教育政策研究所の渡邊茂一調査官を迎え、学習指導要領で目指す「技術分野の授業づくり」について、御講話いただきました。
講義では、「材料と加工」「生物育成」「エネルギー変換」「情報」の4つの内容の技術を最適化する学習を通して、資質・能力を育成することやその際には、発達の段階に応じて生徒が解決する問題の難易度を適切に定めることについて学びました。
交流・協議では、今後の授業改善に向けて、一人一人が異なる課題を設定する授業を構築する必要性や日常と結び付いた問題解決の学習にしていくことの重要性について理解を深める姿が見られました。
また、受講者の先生方の多くが悩んでいた「D情報の技術」に関する動画教材等のコンテンツについての紹介も行いました。(コンテンツに興味のある方は、コチラから)
・受講者の声
「社会とのつながりを意識した授業にしていく必要性を強く感じた」
「『D情報の技術』と他の内容との関わりについて、実践例を示していただいたことで、より具体性をもって今後の授業展開が想像できた」
なお、こちらの講義動画は、Plantから視聴ができます。(公開期間:令和7年7月9日から2ヶ月間)
視聴を希望される方はコチラのページを参考にPlantにログインし、研修コード「2025教研22-1動画①」を入力して検索し、申込み願います。
「学校管理職研修8~『新たな教師の学びの姿』の実現に向けた校内研修の在り方~」
12月下旬までの職場実践をもって全日程を終えた「学校管理職研修8~『新たな教師の学びの姿』の実現に向けた校内研修の在り方~」について紹介します。
本研修講座は、5月28日~6月10日の「オンデマンド型研修」、6月28日の「遠隔型研修」並びに遠隔型研修の前後に行う2回の職場実践で構成されており、全道各地から管理職を中心に55名の先生方に受講いただきました。研修では、校内研修等の充実・活性化による学び合い高め合う教職員集団づくりについて理解を深めました。本通信では、6月の遠隔型研修の様子を紹介します。
6月の遠隔型研修では、横浜国立大学准教授 脇本健弘氏をお招きし、「『新たな教師の学びの姿』の実現に向けた校内研修」と題して講義をいただき、初任段階の教員を育てる「メンターチーム」の取組や中堅段階及びベテラン段階の教員の学びに資する「シェアド・リーダーシップ」の取組、対話を通して教職員の個別最適な学びを目指した事例など、校内研修等の充実・活性化につながった好事例を基に学び合い高め合う教職員集団づくりについて理解を深めました。
演習・協議では、「新たな教師の学びの姿」を目指す校内研修の推進に向け、それぞれの受講者が自校で取り組む方策を立て、グループ協議を通して方策の具体化、明確化を図りました。
脇本准教授提供資料より
受講された皆様からは、「教師が主体的で継続的に学べる研修、教師の課題等に応じた個別最適化された研修や協働的に学べる研修など校内でできることから考え、研修部長等と連携を図りながら校内研修の充実を図りたいと思った」「私自身の研修観の転換の機会になり、常に自分自身のアップデートをし続けることの大切さを改めて実感し、学ぼうとするきっかけになった」などの感想をいただきました。
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「学校管理職研修4~多様な児童生徒への支援を充実させる学校体制の構築に向けて~」
12月17日(火)に全日程を終えた「学校管理職研修4~多様な児童生徒への支援を充実させる学校体制の構築に向けて~」について紹介します。
本研修は、6月14日~27日の「オンデマンド型研修」、7月4日の「遠隔型研修Ⅰ」、12月17日の「遠隔型研修Ⅱ」、遠隔型研修の間に行う「職場実践」で構成されており、全道各地から76名の管理職の皆様に受講いただきました。研修では、特別な教育的支援を必要とするなど、多様な児童生徒への支援を充実させる学校体制の構築について理解を深めました。
7月の遠隔型研修Ⅰでは、北海道大学大学院教育学研究院教授 安達潤氏を講師にお招きし、「今、求められる特別支援教育の在り方」と題して講義をいただき、「機能・構造障害」、「能力制限」、「参加制約」という3つの階層から分析するICF(国際生活機能分類)により児童生徒の要支援状況を包括的に見ることの重要性等について理解を深めました。
12月の遠隔型研修Ⅱでは、小学校、中学校、高等学校、各1名の受講者より職場実践の取組に係る実践発表を行い、それぞれの発表について、特別支援教育課山内功課長補佐、道立特別支援教育センター高橋利典教育課長、特別支援教育課坂内仁主査から、講評をいただくことで、受講者は今後の取組に向けて見通しをもつことができました。その後の協議では、実践発表等で得た気付きや学びを基に、学校体制の構築に向けて、今後、自校で取り組む方策についてグループ協議をしました。
安達教授提供資料より 研修講座運営の様子
受講された皆様からは、「ICFの考え方や、管理職の立場で障がいが現れる環境要因に着目する大切さを学んだ」「実践発表では、自校の実践との比較から不足している部分を見付けることができ、今後の取組に生かせるものであった」、などの感想をいただきました。
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「学校管理職研修1~学校経営におけるアセスメントとファシリテーション~」
12月5日(木)に全日程を終えた「学校管理職研修1~学校経営におけるアセスメントとファシリテーション~」について紹介します。
本研修は、6月7日の「遠隔型研修Ⅰ」、9月20日の「集合型研修」、12月5日の「遠隔型研修Ⅱ」、そして、それぞれの研修の間に行う2回の「職場実践」で構成されており、全道各地から34名の管理職の皆様に受講いただきました。研修では、演習、協議等を通して省察を重ね、学校内外の関係者と学校経営目標を共有し、学校の教育力を最大化する学校経営の在り方について探究しました。本通信では、9月の集合型研修と12月の遠隔型研修Ⅱの様子を紹介します。
9月の集合型研修では、北海道教育大学教職大学院旭川校特任教授 北村善春氏を講師にお招きし、職場実践に係る協議と模擬事例に基づく演習を行いました。協議では、各自の職場実践における成果や課題について交流し、それぞれの受講者が、アセスメントとファシリテーションに関する自身の認識を明確にすることができました。その後の演習では、学校経営の具体的な状況を取り上げた模擬事例を題材として、要因を整理し、問題解決の方策を検討しました。事前課題として個人で検討したことを基にグループで協議することで、管理職に求められるファシリテーションとアセスメントの在り方について理解を深めることができました。最後には、職場実践における目標を各自で設定しました。
12月の遠隔型研修Ⅱでは、各自が取り組んだ職場実践を通じて、どのように認識が深まったのか、という視点でグループ協議を行いました。北村特任教授からは、「他校の好事例を参考にするだけではなく、自校の実践からも学び、そのよさを組織内に広げていくことも大切である」等の助言があり、受講者は今後の取組について多くの示唆を得ることができました。
遠隔型研修Ⅱ配付資料より
受講された皆様からは、「ファシリテーションについて、模擬事例の検討を通して深く学ぶことができた」「長期に渡り他者との対話を重ねることで、多くの気付きを得ることができた」などの感想をいただきました。
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「総合的な探究の時間」
8月8日(木)に全日程を終えた「総合的な探究の時間」実践研修について紹介します。
本研修は、北海道教育委員会の「S-TEAM教育推進事業」の一環として、総合的な探究の時間を実施している全ての道立高校を対象に令和4年度から行っている研修で、「総合的な探究の時間」において教科等横断的に資質・能力を育成する学校体制の構築の道筋をつけることをねらいとし、最終年度となる今年度は、空知、石狩、渡島、檜山管内にある75校の担当者の皆様に受講いただきました。
「遠隔型研修Ⅰ」「遠隔型研修Ⅱ」「職場実践①」「分散型研修」「職場実践②」の5つの研修で構成されており、遠隔型研修Ⅰでは、東京学芸大学西村圭一教授から、教科等横断的な探究に関する教員間の目線合わせの大切さや目線合わせの方法、「総合的な探究の時間」の質をアップグレードするための対話の重要性などについて講義をいただき、協議を交えて理解を深めました。
遠隔型研修Ⅱでは、北海道大学篠原岳司准教授から、高校における探究活動の課題の一つとして、教師側の学習観の転換やアンラーン(まなびほぐし)の難しさに触れ、学校経営論に見る課題対応のポイントとして、教職員間の心理的安全性が重要であることを示していただき、総合的な探究の時間のカリキュラム設計や実践を推進する校内体制の在り方について、協議を交えて理解を深めました。
西村教授提供資料より 篠原准教授提供資料より
分散型研修は、空知、石狩、渡島・檜山それぞれの会場に集合して実施しました。総合的な探究の時間の充実に向けて先進的な取組を実践している高等学校からの実践発表や職場実践①で整理した各校の課題や取組についての交流及び協議を通して、今後の取組についての見通しをもつことができました。こうした研修の成果を各校に持ち帰り、職場実践②において次年度に向けた取組の重点を構想し、受講者間でGoogle Classroomを通じて共有しました。
受講された皆様からは、「探究学習のワクワク感を生徒や教職員と共有しながら、地域とともに進めていけるよう、これからも頑張ろうと思いました。」「他校の先進的な取組や各校担当者の意見を基に、自校の課題に対する改善策をじっくりと考える絶好の機会となりました。」などの感想をいただきました。
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「生徒指導研修2~不登校児童生徒への組織的な支援の在り方~」
11月25日(月)に全日程を終えた「生徒指導研修2~不登校児童生徒への組織的な支援の在り方~」について紹介します。
本研修は、「オンデマンド型研修」「遠隔型研修Ⅰ」「職場実践」「遠隔型研修Ⅱ」の4つの研修で構成されており、全道各地から67名の皆様に受講いただきました。研修では、学校全体でチームとして指導・援助を行う体制の充実を図り、関係機関とも連携した不登校児童生徒への組織的・継続的な支援をするための方策について理解を深めました。
遠隔型研修Ⅰでは、インシデント・プロセス法を用いた事例検討や、講師の北海道教育委員会兼江別市教育委員会スクールソーシャルワーカー田村千波様、社会福祉法人楡の会診療部こころの相談室室長岡部善也様、小樽市教育支援センター登校支援室教育支援コーディネーター上泉哲様からの講義及び協議・演習を通じて、関係機関等と連携した組織的な取組の充実について理解を深めました。
スクールソーシャルワーカー田村様提供資料より 教育支援コーディネーター上泉様提供資料より
また、遠隔型研修Ⅱでは、職場実践における成果や課題を交流し、北海道教育庁学校教育局生徒指導・学校安全課柳沼慶祐主査、北海道教育庁学校教育局健康・体育課篠原弥智係長、北海道立特別支援教育センター奥田裕幸主査から、不登校児童生徒への支援の在り方や不登校の未然防止の取組に係る助言を受け、受講者は今後の実践に向けての見通しをもつことができました。
受講された皆様からは、「専門的な立場からの講義や助言に、学校では気付くことができない視点があり、視野が広がりました。」「不登校の児童生徒への対応は、様々な視点から組織的に行うことが必要だと再確認しました。関係機関との連携体制を校内で構築しておく必要があると考えました。」などの感想をいただきました。
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